TV番組に戻る
NHKスペシャル 激流中国
概要
No overview available.
ステータス
Ended
放送局
NHK
シーズン&エピソード

シーズン1
エピソード
富人と農民工
個人資産300億円以上、巨万の富をたった一代で築き上げた会社社長。改革開放の波に乗って、不動産投資などで成功を収め、今も1回に何億もの金を株などの投資につぎ込む。富がさらなる富を生み、笑いが止まらない。かたや日雇い労働で手にする日当はわずか600円ほどの農民。家族を養うために農村から都会に出てきたものの、ようやく見つけることができた仕事は建設現場の厳しい肉体労働。毎日、自分が暮らしていくのが精一杯で、そこからはい上がることはできない。中国では、今、こうした光景は決して珍しくない。社会の中で格差が広がり、勝ち組と負け組の差が鮮明になっている。中国政府は、今、経済成長を最優先してきた結果、生まれた歪みの是正を最優先課題に位置づけ、「調和の取れた社会」「みなが豊かになる社会」建設をスローガンに掲げている。 なぜ格差は拡大し続けるのか、貧しい人々がはい上がるのが困難な理由は何か。 貧・富それぞれの現場に徹底的に密着し、中国政府が今、最大の課題とするこの問題に迫る。
ある雑誌編集部 60日の攻防
来年の北京オリンピックに向け、中国政府がこれまでの情報管理のあり方を見直し始めた。建国以来、国家の宣伝機関と位置づけられてきた中国の国内メディアの現場では、何をどこまで報道できるのかをめぐって、さまざまな議論がわき起こっている。今回、NHKはある雑誌編集部の内部の撮影を許され、2ヶ月にわたってその現場に密着した。時事問題を扱う雑誌では中国有数の発行部数を誇るこの雑誌社は、厳しいテーマにも果敢に切り込む姿勢で、大きな人気を集めている。そこでカメラが捉えたのは、報道内容の線引きをめぐって行われるせめぎ合いだった。 中国ではタブーとされてきた困難な問題に挑もうとする若手記者や、農村に隠された驚愕の事実を取り上げようとするベテラン記者、報道姿勢を理由に袂を分かった敏腕記者。そして、こうした記者たちを取りまとめる立場の編集責任者。それぞれの葛藤を軸に物語は展開。どこまで報道できるか、を巡り、揺れ動く現場の姿をつぶさに追った。
青島 老人ホーム物語
一人っ子政策を続けてきた中国では、先進国を越えるスピードで高齢化が進んでいる。現在の高齢化率(中国の高齢者は60歳以上)は11%だが、これが2050年には4人に1人が60歳以上になるとみられる。今なお経済成長を続ける一方で、社会保障がまだ未整備なため、膨大に増加するお年寄りをどう養うかは大変深刻な課題になっている。そうした中、新たな受け皿として注目されているのが老人ホームである。しかし設備の整った施設に入るためには、高い入居費を支払わねばならない上、「子供が老いた親の面倒をみる」という伝統をずっと大事にしてきた中国では、老人ホームには入りたくないと考えている高齢者や入れたくない家族も少なくない。こうした中、高齢化率18%と中国でも上海に次いで高い青島市の老人ホームに初めてカメラが入った。現在、500人近くの高齢者がここに入居している。ホームは常に空き部屋待ちの状態。しかし入居している人々の事情はさまざまで、日本の事情とも大きく異なっている。中国の老人ホームに暮らすお年寄りたちの姿を通して、急激な高齢化に見舞われる中国社会の現実を描く。
北京の水を確保せよ~しのびよる水危機~
中国の首都・北京。現在、最も大きな課題の一つが、水の確保だ。2008年オリンピック開催が決まって都市の発展が急速に進み、建設ラッシュ、洗車場の増加、街の緑化などにより、必要な水の量は圧倒的に増えた。ところが、主要なダムの貯水量は、ここ5年で、3分の1に減っているのだ。こうした中で、今、北京の水を確保するため、さまざまな対策が打ち出されている。今回は、北京市水務局の取締官の活動に密着した。取締官は、日々、水の浪費が目立つ建設現場や飲食店などを抜き打ち検査している。また、公共用水が盗まれる事件なども頻発しており、摘発に向かうこともたびたびだ。一方、上流の村では、北京に水を供給するため必死の取り組みが行われている。水不足解消の願いを込め、人工降雨ロケットも打ち上げられる。暮らしや産業の要とも言うべき、水の問題に迫る。
民が官を訴える~土地をめぐる攻防~
中国で今年10月1日から施行される新たな法律「物権法」。国家と個人の私有財産を“平等に保護する”ことを規定したもので、社会主義のこの国において、画期的なものとされている。この法律によって、将来、個人の財産がこれまで以上に厚く保護されるようになると期待されている。こうした法律制定の背景には、中国政府が、今、全国各地で起きている土地収用や住宅の強制立ち退きを看過できなくなっている事情がある。急速な経済発展にともない、都市の再開発に拍車がかかる中、地方では開発業者と当局が一緒になって強引な土地の確保を進め、それが住民とのトラブルを引き起こし、大きな社会混乱につながるおそれがあるからだ。土地問題を専門に扱う弁護士事務所には、連日のように全国から相談客が訪れている。住民たちは弁護士の力を借りて、当局を相手に行政訴訟をおこし、自分たちの土地の権利を守ろうとするが、当局の強い反発や、費用の問題などさまざまな困難が立ちはだかる。番組では、ある地方の住民たちの動きに長期間密着、彼らが初めて法の力を使って、自分の土地や住宅の権利を守ろうとする過程を描くことで、変わる中国の今を浮き彫りにする。
チベット 聖地に富を求めて
北京をはじめ中国の大都市とチベット自治区ラサを直結する「青海チベット鉄道」が開通して一年。“秘境”チベットは一気に身近になった。鉄道開通からわずか半年余りで、観光客数や収入は前年に比べ40%も急増。今年の訪問者数は自治区の人口を上回る300万に達すると見込まれる。ラサでは、ホテルの建設ラッシュが続き、鉄道ブームに沸いている。しかし、外からの資金や文化が大量に流入し、都会に憧れる若者が続出する中で、チベット文化をどう護っていくのか、という新たな課題も浮上している。 番組では、チベット鉄道が大量の客を送り込む夏の観光シーズン、開業したばかりの豪華ホテルにカメラを据えた。四川省の巨大資本家、漢族のオーナーは、チベット文化を売り物に大量の観光客獲得に成功したやり手経営者。そこに地元チベットの若者たちが就職し、民族伝統芸能の演奏や踊りを披露したり、骨董品の買い付けを案内したりして働き始めている。敬虔な仏教信者の地域から出稼ぎにきた若者たちは、都会の文化や資本の論理に驚き、戸惑う毎日だ。夢の鉄道は、チベットにどんな変化をもたらすのか。巨大ホテルで繰り広げられる人間模様に密着し、変ぼうするチベットの今を描く。
密着 共産党地方幹部
北京五輪を来年に控え、激動の渦にある中国の最前線の現場を毎月、ルポする激流中国。 11月は、さまざまな課題と向き合う中国共産党・幹部たちに密着した。党員数7000万を越える世界最大の政党・中国共産党。5年に1度の最も重要な政治イベントである第17回党大会(中国共産党全国代表大会)が今月15日から開催される。そこでは胡錦濤総書記の後継者を占う中央委員などの選出が行われると同時に、党の新たな重要方針が示される。それは今、“社会矛盾や格差”を是正し、「調和社会」実現を目指す胡錦濤体制が全国の幹部に向けて掲げるスローガンとなる。番組では、このタイミングに、2人の地方の幹部に長期密着した。1人は経済発展から取り残されてきた東北地域の幹部。彼の仕事は倒産した国有企業の処理、そしてリストラされた大量の失業者たちの救済。地道な活動が日々続く。もう1人は経済発展を実現した、豊かな南部の幹部である。豊富な税収を元に、中国でも類い希な社会保障制度を導入、「調和社会」のモデルとして称えられ、今回の党大会にも招かれた。困難な課題にどう向き合うのか、2人の幹部の姿を通して、知られざる共産党の現実が浮かび上がる。
訴えられたカリスマ経営者~追跡・ブランド騒動~
“中国財界のスーパースター”と謳われたカリスマ経営者が、未曾有の国際紛争に直面した。中国一の飲料メーカー・ワハハの宗慶後会長が、合弁パートナーである外国企業から訴えられたのだ。「ワハハ」という商標の権利は合弁会社に限るという合意を破り、ワハハ側が商標を勝手に使っているというのだ。宗会長が一代で築き上げ、現在2万人の従業員を抱えるまでに成長を遂げた巨大企業ワハハ-そのブランドの価値が急騰し、ブランドの帰属が大問題となった。訴えに対しワハハの宗会長は「当時、国家の同意が得られなかったので、商標に関する合意は無効だ」として真っ向から反論している。紛争の背景には、外資が合弁を組んだ中国の老舗企業が次々と経営権を奪われ、中国のブランドが消えているという深刻な事態もあるという。 一方で、おなじみのニセブランド問題は、海外の有名ブランドに留まらず、中国ブランドにまで拡大、ワハハはその取り締まりにもてんてこ舞い、まさに内憂外患にさらされている。 商品の「品質」「安全」の確保は、中国でも喫緊の課題となっており、品質に定評のあるワハハのようなブランドは中国でビジネスを進める上で貴重な存在だ。ブランドをめぐる攻防に密着し、急旋回する中国経済の最前線を描く。
5年1組 小皇帝の涙
「一人っ子」政策を実施してきた中国。以来、一人っ子家庭で、親が子を過保護に育てる、いわゆる「小皇帝」問題が指摘されて久しい。こうした親の過剰な期待、教育ブームの過熱ぶりがおさまることはない。しかしそれが子どもたちに重い負担となり、心に暗い陰を落としているというシンクタンクの報告が行われ、中国政府も、学力偏重主義に警告を鳴らし始めた。 今回はこうした教育をめぐる問題を取り上げる。 番組の舞台は南部、雲南省。人口500万の省都・昆明の公立小学校5年生のクラスである。貧富の格差拡大、大学生の就職戦線の厳しさの中で、親たちの“よりいい学校へ進学させたい”という学歴崇拝は高まるばかり。1年生から英語を学び、数学は世界で一番難しいといわれるほどの学習レベル、小学校の現場は親の頃とは全く違う。親は子どもを叱咤激励し、愛の鞭も惜しまない。学校側も成績のいい子どもを多く輩出すれば、評価が上がるため、教育に力を入れる。学校を支配する“成績至上主義”、しかし「それでいいのか?」と葛藤するどもたちが、悩みや苦しみを訴え始めた。番組は、こうした現場を記録。親子それぞれの心のうちに迫る。
上海から先生がやってきた~貧困の村で~
経済成長のかげで、およそ6000万人の貧困人口を抱える中国農村部。貧しさの原因とは何なのか。彼らを救う手だてはあるのか。貧困地区を助けようと都会からやってきた若者たちの苦闘と農村の現実を半年間にわたって取材した。 これまでに10万人が参加したという都会の若者が貧困を助ける支援プロジェクト。今年、黄土高原の最貧困地域、寧夏回族自治区西吉県に13人の若者が派遣された。メンバーの一人、上海の名門、復旦大学に通う梁佩思(りょうはいし)さん(22)は、外資系企業からの就職の誘いを断り、貧しい農村の高校で一年間のボランティア教師となることを決意した。 しかし、苦労知らずの都会暮らしの梁さんを、想像を絶する日々が待ち受けていた。零下15度に冷え込む厳しい自然。具のない饅頭だけが、毎朝毎晩続く食事。あたりには故郷を捨てて移住した農家の跡が点在していた。 それでも子どもたちは、貧しさから抜け出すために、一心不乱に進学を目指す。梁さんは、生徒たちの家に通い、親身になって相談に乗り始めた。しかし、親の病気を治すにも借金が必要で、返済のために子どもは進学の道を断たれる悪循環。非情な経済の論理が急速に農村を蝕んでいる実態に、途方に暮れるばかりだった。 若者たちの悪戦苦闘を通して、貧困の現実と彼女たちの心の葛藤を大自然をバックに描き出していく。
北京 怒れるニュータウン~沸き上がる住民パワー~
五輪を目前に控える首都・北京では今、急速に街の再開発が進んでいる。古い家屋が姿を消すかわりに、巨大なマンションがそびえ立つニュータウンがあちらこちらに広がっている。その数3000以上。 従来、国家から住宅が分配されてきた社会主義・中国では、職場を中心とする公営住宅が人々の住まいだったが、市場経済化で個人が住宅を買えるようになったのだ。人々は夢にまで見たマイホームを手に入れ、ニュータウンに移り住む、しかしそこでトラブルが起きている。その多くは、住民の“自治”をどれだけ認めるかをめぐる争いだ。自分たちで「管理組合」を組織し、初めて“自治”に乗り出そうとする住民に対し、歓迎しないニュータウンの管理会社などが妨害を加える動きに出ている。住民の“自治”は本当に実現するのか?あるニュータウンを舞台に、その顛末を追う。
病人大行列~13億人の医療~
市場経済化が加速する中国で、今、政府自ら、最も取り組まねばならない課題としているのが「医療」問題である。激流中国では、北京の大型病院に密着し、その現実を浮き彫りにする。 私たちが取材した公立病院には、連日、全国から大勢の患者が押し寄せる。診察を受けるのは二日がかり、徹夜で並ばなければならない。なぜそうまでしなければ、診察を受けられないのか?医療制度はどうなっているのか? かつて中国は、国家が医療費を負担し、医療サービスは無料だった。しかし制度の見直しで、利用者負担へと変わり、保険制度の整備も遅れているため、医療費が患者に重くのしかかるようになった。一般の人々が病院に行くのは、いよいよ症状が悪化してからで、地方の病院等ではとても手に負えず、こうした大型病院で診てもらうしか手がないのだ。しかも医療費が、患者家族にとって“破産する”ほど高額となるケースも頻繁に起きている。一方、制度見直しによって、病院は独立採算となり、優れた医師や医療設備を導入し、大勢の患者を集めることのできる病院だけが生き残れるようになっている。 こうした“医療格差”がますます拡大する中、患者家族、そして病院、「それぞれ」をつぶさに記録した。
告発せよ 摘発せよ~環境破壊との闘い~
大気汚染、水質汚濁などによって多くの被害者を抱え、“環境汚染”が大きな社会問題となっている中国。サミットや北京オリンピックを前に、調和社会への転換をアピールする胡錦涛政権にとって環境対策は生命線である。しかし、多くの地方では成長最優先路線からなかなか脱却する余裕がなく、一方、豊かさを手に入れつつある都市住民の間では環境汚染への不満が急速に高まっている。沿岸部と内陸部との環境意識の格差は広がるばかりだ。 汚染反対の住民デモが起きた沿海都市部では、国の号令のもと、汚染源となっている企業を次々と摘発し、完全閉鎖にまで追い込むという街が現れた。杭州市の環境保護局は、市内300以上の大手企業に汚染監視システムを設置し、24時間監視を断行。住民から通報があれば摘発部隊が汚染企業に突入し、悪質であれば容赦なく閉鎖にまで追い込む。しかし、汚染をまき散らす企業は後を絶たず、凄まじい攻防が続く。 一方、内陸の農村部では事情が一変する。山河を切り崩し、大規模なダム水力発電所を次々と建設「環境保護も大事だがまずは経済成長」として豊かさ獲得を至上命題に据えている地方は少なくない。雲南省山岳部の清流でのダム建設をめぐって、NGOと地方当局が住民を巻き込んで繰り広げてきた激しいつばぜりあいの結末は・・・。 中国の環境汚染の実態はどのようなものか。環境保護か経済成長かというジレンマを抱え調和社会への舵取りをどう進めるのか。都市・内陸それぞれで繰り広げられる環境をめぐる闘いを密着ルポする。
第14話
No description available.




